印象派光の系譜より、ルノワールと人気爆発レッサーユリィ

日本でもたくさんの方に愛されているルノワールさん

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「花瓶にいけられた薔薇」 ピエール=オーギュスト・ルノワール 1880年頃 58.8×74.1

こちらの作品は顧客であったポール・ベラール氏のヴァルジュモン城を飾るために描かれた一作。

一気に部屋が華やかな雰囲気と良い香りに包まれそうです!

 

 

ルノワールの少年時代はセーブル焼の陶器絵付けで家計を助けていました。

ですがその頃に培った技術がのちのルノワール特有のすべすべとした優しいマチエール(絵肌の質感とでもいいましょうか)に繋がっていると考えられます。

 

38歳頃には画家としての地位を不動のものとし、裕福なパトロンも沢山ついていたよう。

ですが彼は常に進化を諦めません。故にあらゆる作風が見受けられますが、生涯において悲しみに焦点を当てた作品は描きませんでした。

どれも見ている側も自然と笑顔になるような生きる喜びに溢れたものばかりです^^

 

本展では他に、「マントノン郊外」「レストランゲの肖像」「マダム・ポーランの肖像」「花で飾られた帽子の女」「リンゴとキジ」「静物の6作が展示されてあり、内5作(赤字)が初来日でした!

 

 

続きましてはそう!日本ではほぼ知られていなかったドイツの画家!

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左「夜のポツダム広場」右「冬のベルリン」 レッサー・ユリィ 共に1920年代半ば

私も恥ずかしながら存じ上げなかった画家さんです…

ロマンチックであり現代的でもあるこの叙情性と叙景性を兼ねそろえた美しさに一気に惹きつけられてしまいました。

 

本当に素晴らしくないですか?たまんないですよね!

そしてやはり今回の展覧会でレッサーフィーバーが巻き起こったとか…

ポストカードは即売れきれだったそうです(笑)

 

これから一気にレッサーユリィの企画展なんかが増えそうな予感ですね^^

ぜひもっとこの世界観にまみれてみたいものです!

 

う~~~世界は広いです!!

 

ちなみにあと「風景」「赤い絨毯」の2作品がきていました。

 

一番最後の締めが「赤い絨毯」だったんですが、これまた素晴らしく

皆がその前に釘付けになっていました。

 

色の使い方、光の差し込み方、人物の洗練された描かれ方、構図、すべてにおいて完璧で、そしてレッサーユリィのものだと4作品しか見ていませんがそれだと分かる個性がありました。

 

 

印象派 光の系譜展

本当に素晴らしい展覧会でした。

1.水の風景と反映

2.自然と人のいる風景

3.都市の情景

4.人物と静物

からなるそれぞれの光の系譜をたどって外の世界に出ると、当たり前の景色が尊くなったように感じます。

 

Ⅳ 光の系譜

さまざまな光をとらえ、カンヴァスにとどめようとする画家たちの視線は、身近な人物や身のまわりのささやかな存在へも向けられました。家族や友人、室内の様子や、ありふれた花や果物などが、印象派の画家たちの生き生きとしたタッチと色彩によって、内側からにじみ出すような輝きを放ち始めたのです。日常に寄り添い、生命の輝きを引き出した印象派の視点を、続くポスト印象派ナビ派の画家たちはそれぞれに受け継ぎ、探求していきます。その先に、人間の内面や、ものの本質にまで光を当てるような、さらなる造形的挑戦が繰り広げられていったのです。