佐川美術館「バンクシー&ストリートアーティスト展」
本日紹介するのは佐川美術館で開催中の「バンクシー&ストリートアーティスト展~時代に抗う表現者の声よ響け」です。
期間は2022年6月12日までです。
佐川美術館は、滋賀県を代表する美しい美術館のひとつですね^^
ゲートをくぐると、水の中に浮かぶ大きな屋根が特徴的な美しい建築が出迎えてくれます。
THE シンプルイズベストって感じですね。
佐川美術館 【建築深訪シリーズ】 | 自然とモダンに暮らす家|きなりの家
こちらは竹中工務店が担当しているそうです。
数々の賞も獲っているのだとか。
水の反映が屋根の内側にうつっていて見た目にも涼やか♪
さてさて現在国内では、3つのバンクシー展が開催中という濫立っぷり。
今北海道の札幌では「バンクシー展 天才か反逆者か」
大阪のグランフロントでは「バンクシーって誰?展」
そしてこちら佐川での「バンクシー&ストリートアーティスト展」
いかにバンクシーが人を惹き付けるかということですよね、すごい…
しかも存命中の現代アーティストでは異例の人気と知名度ですよね。
もう皆さん名前はきっと耳にしたことがあるはずのバンクシー。
彼はニューヨークのヒップホップ文化の中ダウンタウンにて生まれたグラフィティ(落書き)の流れを汲むストリートアーティストです。
日本でもちらほらトンネルやら繁華街の壁とか、どうやって描いたんっていう所にスプレーで描かれているのを見かけますよね。簡単にいえばアレですね。
王冠のマークが有名なバスキアや、ポップな人型やワニのような犬が有名なキース・へリングさらにはスープ缶や、つい先日米アートとすれば最高額の253億円で落札されたモンローが話題となったアンディ・ウォーホルもストリートアーティストです。
バンクシーの作品オンリーな展示会ばかりでしたが、こちらではバンクシーを入り口として他のバンクシー以前のストリートアーティスト(タキ183やパートワン等)のいわばストリートアーテイストの父と呼ばれるただの落書きとして扱われていたものをアートへと変えた先駆者たちの貴重な作品や、さらにはその次世代となるTVBOYのゴッホのセルフィー画像(ゴッホが多分鏡越し?に最新のiPhoneでキメた自撮りをしている絵)やANDREA RAVO MATTONI(アンドレアラヴォマットーニ)の巨匠フェルメールの真珠の耳飾りの少女のオマージュが。
そして、そんなストリートアートが日々目まぐるしい進化を遂げる最中に登場したのがバンクシーです。
これまでの先代たちの革新的な活動に影響を受け、自らの表現様式を確立していく様がわかるよう展示が進みます。
彼は、それまでのグラフィティの活動だけではなく、自らがディズマランド(簡単にいうと世紀末のディズニーランド)といったテーマパークを企画したり、メッセージ性抜群のCDジャケットの制作をしたアートワーク、そしてパレスチナのベツラヘムにあるバンクシーがオープンした世界一眺めの悪いホテルと名乗っているウォールドオフホテルにまつわる作品も。こちらはイスラエルが建設した分離壁の真正面に建っているんです…。
それから、大量消費の世の中に疑問を投げかける作品や、反戦や権力への抵抗を込めた有名な作品の数々も展示されていました。
ぱっと見はキャッチーでポップにも見えるバンクシーの作品。
ですが、そこには人々が心のどこかでは分かっているのに見て見ぬ振りや、先延ばしにしがちな暗い問題への批判や風刺が皮肉なほどに込められています。
覆面アーティストとしてミステリアスな部分も世界中の興味を惹き付けている要因ではもちろんあると思いますし、そして日本では特に不良文化といわれがちなストリートアートを展覧会を開けば老若男女が訪れるこの盛況ぶりにまで芸術分野として確立させ、これからの時代を担う人たちを先導し、長いものに巻かれずにしっかりテメェの頭で考えて行動しろ!といった喝を浴びさせることができる不思議な魅力。もはや魔力!
ストリートアートって?グラフィティアート?みたいな方はぜひぜひこちらの展覧会を訪れてみてはどうでしょうか。
こんなにも自由で、表現技法が様々にあるんだと驚きが得られるかと!
そしてここまでのストリートアートの歴史も辿ることができます。
なお、こちらは完全予約制となっておりますので、事前のご予約は忘れずに!
なので中では比較的ゆったりと観ることができました!