相国寺承天閣「王朝文化への憧れ」Ⅰ 期目

本日は相国寺内にある承天閣美術館にいってきました!

相国寺承天閣美術館

美術館はたいてい月曜日が休館日なんですが、こちらは年始年末と展示入れ替え期以外はずっと開いております!

館内入り口にはもう新緑の青紅葉が✨

 

さて、こちらでは現在「王朝文化への憧れー雅の系譜ー」が開催中です。

Ⅰ期は2022年3月20日~5月15日
Ⅱ期は2022年5月22日~7月18日

 

相国寺は、明徳3年(1392年)に夢窓疎石を開山とし、室町幕府第3代将軍足利義満によって創建された臨済宗相国寺派大本山です。

そして相国寺創建600年記念事業の一環として、昭和59年4月に本山相国寺鹿苑寺金閣慈照寺銀閣塔頭寺院の美術品を保存、修理、研究調査、そして禅文化の普及を目的として展示公開されるために承天閣美術館が建設されたとのことです。

 

こちらには国宝5点重要文化財145点が所蔵されています!

 

今展示では、雅といえば!な平安時代に憧れを抱いた江戸時代に、後水尾天皇を中心に巻き起こった京での王朝文化復興期にまつわる作品が目白押しです♪

 

まずは、何世代もの時を超え現代でも人を虜にしてやまない伊勢物語源氏物語にまつわる展示に始まり、和歌の世界、そして最後は相国寺と禁裏に伝わる美術品の数々が展示されています。

 

なんと今回「佐竹本三十六歌仙絵(源公忠)」もありました!

そしてその下には岩佐又兵衛による三十六歌仙画鋲」

 

岩佐又兵衛といえば、戦国武将荒木村重の息子でしたが、2歳の時に織田信長に攻められ落城し、京に逃れてから母方の姓である岩佐を名乗り、絵師として独立し江戸時代初期に活躍した絵師です。

圧倒される緻密な描きこみと豊かな表現力によって浄瑠璃の世界観を巧みに絵で表現し、のちに近松門左衛門が絵師を主役とした浄瑠璃「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」のモデルにもなりました。

浮世絵の元祖ともいわれていますね。

 

はっ!このままでは岩佐又兵衛特集の回になってしまう!!!

ここら辺にしておきます…

岩佐又兵衛による傑作小栗判官絵巻」宮内庁三の丸尚蔵館にありますがこちらもいつかぜひ!

 

 

さてもどります!

伊勢物語からは「布引の滝図屏風」六曲一隻

伊勢物語の主人公といわれている在原業平とその兄行平が布引の滝を見ながら、宮中に生きる苦しみの涙を滝に擬えているまさにそのシーンが描かれていました。

 

 

狩野常信「源氏物語図屏風」六曲一双
上が右隻、下が左隻 紙本金地著色 江戸時代17世紀 
相国寺

https://www.shokoku-ji.jp/museum/exhibition/miyabi/

源氏物語からは狩野常信による源氏物語図屏風」と、土佐派による「源氏絵物語図屏風」が並べられていました。

常信による源氏物語図屏風の縁には葵の御紋が!

 

やまと絵の土佐派の金泥の雲(源氏雲)には細かな模様が施されている豪華さ!

それぞれの物語の場面を右隻から左隻へ移るにつれ自然と源氏雲で区切っているさまは、現在のドラマのダイジェスト動画のよう^^

 

絵巻というものは空からの視点になっていて、屋根がとりはらわれ家の中を覗くような構図になっていますよね。

これは吹抜屋台と呼ばれる手法です^^

あと登場人物は皆たいてい表情がよめない顔をしていますが、これは引目鉤鼻と呼ばれるもので、あえてそういう風に表情から心情を読めないようパターン化し、そして柱や畳といったもので人間関係や登場人物の心情を表現しているんです!

まあまわりくどいことです!奥ゆかしいともいえるのでしょうか…

 

でもこういうのって西洋美術史のなかでも起こっていることで、そう思うと人類みんな繋がっているんだなあ、なんて感じたりします。

 

あとは人を描かずに人の気配を感じさせる留守模様という技法が盛り込まれた意匠のこった蒔絵手箱(化粧道具などを仕舞うための入れ物)なども非常に美しかったです^^

題材が夕顔なのでちょっと不穏な感じでしたが。

 

Ⅱ期では俵屋宗達の「蔦の細道図屏風」が展示されるそうです!

これも観たい!!

 

源氏物語図屏風は両者とも続けて展示されるそうですが、伊勢物語の布引の滝図屏風は今期限りだそう。

あと、尾形乾山の「色絵龍田川透かし鉢」も今期限り…!

今見てもお洒落な鉢。在原業平の有名な竜田川の紅葉を詠んだ和歌が題材になった逸品です。

 

足を進めると、お兄さんの尾形光琳の作品「中明石左右須磨鳴門図」も登場します!

そしてこちらも今期だけの展示になります…!

琳派節はなりをひそめ、のほほんとした三幅の掛け軸で塩を焼いているおじいちゃんがいい味を出してました^^

 

その隣には狩野探幽の「富士三保松原図」が毅然とかけられており、豪華な面々の競演にテンション上がります!

 

しかもそのすぐそばには常設である伊藤若冲

鹿苑寺大書院障壁画より「月夜芭蕉」「葡萄小禽図」がどどんと!

いやあ~でっかい。でっかいですよ壁画ですから当然ですけど。

こちら重要文化財となってます!

 

応挙の孔雀はいつだろうな…

見たいなー!

 

 

大丈夫ですか?字が続いてますが疲れてませんか?

どうもできないんでとりあえず目に優しい緑を…!

もういっちょ!

 

墨蹟(僧が記した書)も多く、また相国寺に和歌の神様でもある藤原定家が眠っていることから、和歌を書き留めた貴重な数々も多く、なかなかにおなか一杯になる内容となってました。

藤原定家の位牌まで展示されてあったので思わず手を合わせました…

 

個人的に第一展示室にある、金閣寺境内に実際にある「夕佳亭」が再現されたものがお気に入りでもあります^^

家の一角にこんな部屋があったらな…なんて。

 

 

さささ、この辺にしておきましょうか!

今日は平日だったのもあるかとは思いますが人は少なかったのでゆっくり自分のペースで見れるんではないでしょうか。

 

拝観料 一般 800円
    65歳以上 600円
    中高生 300円
    小学生 200円

www.shokoku-ji.jp

 

あと、相国寺では現在春の特別拝観中です!(6月5日まで)

こちらでは狩野光信による「鳴き龍」に会えます!

 

 

では、おしまーい!!

皆さんもぜひ訪れてみて下さいね♪

今回は長すぎましたね(笑)

お疲れさまでした!