細見美術館「神坂雪佳 つながる琳派スピリット」

京都の東山に位置する細見美術館では現在、

「神坂雪佳 琳派展22 つながる琳派スピリット」が開催中です!

2022/4/23ー6/19

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この辺りは名だたる美術館がひしめき合い、近くには平安神宮京都市動物園もある言わずと知れた観光地ですね。

その中でも私は細見美術館が大好きで、定期的に訪れています^^

なんといってもここのフライヤーのデザインがいつも素敵でして。

過去の展覧会のものを見ていくのも楽しいです♪

 

そして今回の神坂雪佳

細見さんの得意分野ですね。

ここの琳派若冲のコレクションは素晴らしいのひと言に尽きます!

細見家3代に渡ってコレクションされてきた美術品は、日本の美術工芸のほぼすべての時代分野が網羅されています。

 

明治時代から昭和にかけて活躍した神坂雪佳

本阿弥光悦俵屋宗達尾形光琳ら江戸時代に華開いた琳派の作風に魅了され、そしてそれらを新しい時代に生きるデザインとしてモダンに仕上げたのです。まさに近代デザインの先駆者です。

 

もともとは、かつて円山応挙などがいた写実的な絵を得意とする四条派にて学んでいたそうです。

その下地があってこそ、琳派が得意とする抽象的な表現が自由になるんでしょうね。

 

イギリスのグラスゴー国際博覧会の視察として欧州にも渡りますが、そこで日本古来のデザイン性の高さに改めて気付いたそうです。

そこからはもう琳派琳派琳派ー💨

光琳の再来とまでいわれたそう…

 

ここまで書いて私もある事に気付きました。

私、やっぱり琳派が1番好きですね。

キュン度指数が段違いで高まるのは琳派ですね!!はい!

 

江戸初期に書画(寛永の三筆の一人)、工芸、茶の湯などの分野で名を馳せた本阿弥光悦

もともと本阿弥家は刀剣の鑑定、研磨、浄拭を家業とする名家で、光悦はそこの長男でした。

 

鷹峯に職人達や本阿弥一族などを呼び寄せて、いわゆる芸術村(光悦村)をつくりました。

その様子を雪佳が思いを馳せて描いたものがこちら

神坂雪佳「光悦村図」昭和初期 個人蔵

全体の左側の一部になりますが、ここで外の様子を見上げているのが光悦だそうです。

蒔絵師が仕事に精を出している様子も描かれていますね^^

右側にも他の職人達が活気よく働いている様子があってそこも是非実際に見て欲しいです。

雪佳も実際に見た訳じゃないはずですが、鷹峯の様子がいきいきと伝わる作品です。

 

その横には光悦俵屋宗達のコラボ作品

「忍草下絵和歌巻断簡」

後期は「月梅下絵和歌書扇面」に変わります。

どちらも天才と天才が書と画でコラボする夢のようなまさにドリームマッチ作品ですね!

宗達が絵を描き、光悦が書をしたためるこの合作シリーズは、ジャズのセッションを彷彿とさせるなあといつも思います。

2人が楽しみながら作品に取り組んでいたのがこんなにも今もなお伝わってくる作品ってそうそう無いです。

 

そして我らが兄貴、尾形光琳の作品「柳図香包」も。

もともと香木を包むための紙に描かれたものを表装したもので、しっかり折り目がついてました。

まだいい香りしそうだな〜〜

 

しかし!今回は神坂雪佳がメイン!

他にも中村芳中酒井抱一鈴木基一などなどヨダレものの作品達がありましたが、先代の巨匠たちはここらへんにしておいて…

 

今回のメインビジュアルにもなっている「金魚玉図」

昔はガラス玉の中に金魚をいれて涼を楽しむものがあったそうで、それを描いたものですが構図がもう今見ても新しい!

神坂雪佳「金魚玉図」明治末期 細見美術館

真っ直ぐに見つめてくる金魚。

ガラス玉の中の金魚が光背(いわゆる後光)を背負っているようにも見え、神々しく達観した顔にもみえます(笑)

その模様は琳派たらし込みの技法が使われており、空間の取り方も絶妙。さすが雪佳

家に飾りたいです。

 

神坂雪佳「杜若図屏風」大正末~昭和初期 二曲一双 個人蔵

こちらはもう尾形光琳のあの名作「燕子花図」根津美術館蔵)のオマージュですね。

光琳ほどパターン化されることなくより自然に近いかなあ。

そして金地も落ち着いたマットな色合い。

アクセントに白の杜若(カキツバタ)を配しているところが雪佳のオシャレなところですね♪

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こちら展示室を移る外の階段の踊り場に飾ってある狗児図。もちろんこちらは複製画!

宗達応挙の描く犬のエッセンスも感じられます。

かたつむりを見つめている子犬の様子が愛らしすぎる!

 

神坂雪佳「四季草花図」大正期 細見美術館

これも非常に素晴らしかった!

琳派が得意とした画題に真っ向から挑戦した雪佳の気合とリスペクトが表れています。

デフォルメされた四季折々の花々。実際にはありえない光景ですが違和感なくすっきりと調和させているこの技…!好きだわー--

そして、木の幹や土の部分にもたらし込みが見られますね^^

 

紹介したい作品が多すぎる…

 

ちょっと長くなってきましたかね…

図案にうつった雪佳については次回の投稿にしたいと思います^^

エルメスの雑誌「LE' MONDED' HERMESの表紙にも起用された傑作の図案集「百々世草」「ちく佐」も紹介したいと思います!

そして、尾形兄弟を彷彿とさせる神坂兄弟の陶芸作品のついても^^

 

www.emuseum.or.jp