大阪中之島美術館 超コレクション展 第1章【過去美】
現在「モディリアーニ -愛と創作に捧げた35年間ー」の開催が新たに始まった大阪中之島美術館。
2022年2月2日に、構想から約40年の年月を経て念願のリニューアルオープンされました!
なっがい!!
「Hello! Super Collection 超コレクション展 ー99の物語ー」がそれに伴って開催され、オープニングを華々しく飾りました。
こちらは3/21で公開終了となっております…
館内、めちゃくちゃスタイリッシュな空間が広がってます!
黒を基調とし、効果的なライティングが高級感を漂わせてます。どこかシャルルドゴール空港のようなエスカレーターによる空間の区切り方も格好いい!
さてさて、超コレクション展です
開催は終わってしまいましたが、所蔵作品お披露目会でもあるので紹介していきたいと思います!
6000点を超える所蔵作品の中から厳選された中之島美術館の顔ともいえる400点が一挙に公開✨
本展は全部で3章にわけられています
第1章 Hello!Super Collectors!
1章はコレクション形成の源を紹介のテーマとし、美術館の根幹となる山本發次郎コレクションや田中徳松コレクション、高畠アートコレクション。そして、地元大阪と関わりのある近現代の作品が展示されています。
まず今展でも注目されていた佐伯祐三の「郵便配達夫」
セザンヌ、ゴッホに心酔してパリを目指すも、作品をけちょんけちょんに言われたヴラマンクに師事するというメンタル強い画家。
この作品は亡くなる4か月前に描かれたものなので絶筆ともいえますね。
どこか疾走感を感じる筆致は師匠ヴラマンクの影響もあるのか、ちょっと傾いた姿勢からもその人の癖が見えて生き生きとしてますね^^
どこか既視感があると思ったのですが、ゴッホも同じく郵便配達夫を描いていますよね!
佐伯祐三とゴッホは生き様的にも似通ったところがあり、そこだけ書いても面白いものになるのですが、それはまた今度にとっておきます!
山本發次郎は佐伯祐三の作品を150点所蔵していたそうですが、その多くが1945年の空襲によって失われてしまいました…
しかし代表作ともいえる佐伯祐三の数々は決死の疎開により現在に無事受け継がれてきました。
どの時代もこういう人たちがいて作品や画家を守ってきた歴史が尊いです!
どこで見れるんやー!と思ってた白隠の「大黒天鼠師槌子図」
ここにありました!!
https://nakka-art.jp/untold-99-stories/story01.html
めっちゃテンションあがりましたね。何の気なしに道を歩いていたら普通に生活している綾野剛に会ってしまったみたいな高揚感です。
こちらは禅画なんですが、とってもチャーミングな1枚なんです。
絶妙な表情の大黒天が真ん中で座禅をしており、その周りで擬人化された鼠たちが賑わしています。七福神も舞っているご機嫌ぶり。
なぜなら皆んなでお正月をお祝いしてるシーンなのです♪
なのに、画面右端で怖い顔をして横を向いてる赤ら顔の御仁が…!
この方は鍾馗(ショウキ)という中国の道教の神様で、学業成就と共に厄除けとしても祀られてきました。
このコロナ蔓延で一躍有名になったアマビエと共に鍾馗も各地で人気再熱中だとか…
というわけで招福てんこもりの1枚です!
後ろの屏風に書かれている儒教の「忠孝」から、君に忠…鼠の忠…チュー…
というダジャレまでかましてます。
六曲一双の屏風は大きすぎてカメラには収まり切りませんでした…
しかし美しい一枚です。
石崎光瑤は、富山の画家で山岳家としても有名です。
なので植物のリアルさはピカいち!
そして伝統的な花鳥図といったものとどこかエキゾチックな雰囲気を称えたものとが見事に融合しているなあと。
他にもこの第1章では、最近再ブームがきている上村松園の美人画や、池田遙邨の雪の大阪を描いた近代風景画、椎原治のユダヤ難民を撮影したシリーズの写真作品、中之島にグタイピナコテカ(私設展示室)を設立し、キャンバスに円を描いたシリーズでお馴染みの吉原治良、そして激しい筆致や飛沫を表現し、絵の具をキャンバスに盛りに盛ってその際立った物質性に意味を見出すアンフォルメルというフランスで生まれた新たな美の潮流に影響を受けた今井俊満らの作品がてんこもりの内容となっていました!
ちなみにこの吉原治良、今井俊満のゾーンでは背景の壁紙が黒色に変わるんですが、これはかつてのグナイピナコテカにもあった黒壁をイメージしているそうです!
いや~すごいです。一気に連ねてしまいました。
まだ1章なのにすごい充実度です。
とりあえず今日は1章で、明日から2章、3章と書いていきたいと思います!