日本で唯一のエル・グレコ「受胎告知」
この前、朝起きて何故か「そうだ、エル・グレコに会いに行こう」と某観光CMばりの思い立ちで岡山に日帰りで校外学習(1人)に行ってきました!
目指すは大原美術館です!
こちら、倉敷美観地区のド真ん中に位置する堂々たる美術館
日本で最初の私立の西洋美術館です👏
紡績業で財を成した大原孫三郎がかねてより集めていた美術品の数々を伴って、この人なしでは語れない強力なパートナー、児島虎次郎と共に構想を立て創られた美術館なんです。
が、虎次郎は完成の前年に亡くなってしまいます…
孫三郎が虎次郎と出会ったその当時、まだ若き画家であった児島虎次郎の才能を見込んで孫三郎は彼の渡欧をサポートしたんです3度も!!
その当時のヨーロッパ留学なんて夢のまた夢のようなレベル
金額的にもしゃれになりません、、、
そして虎次郎(名前かわいいですよね!笑)はヨーロッパで自らの画業にも励み、その傍らで美術品蒐集にも精を出しました。後半の2回はもはやメインは蒐集の方だったそう。
何よりその彼の審美眼たるや、とてつもない眼の持ち主!
その当時の20世紀パリ。
野獣派と揶揄されていたアンリ・マティスや、パブロ・ピカソ、ジョルジュ・ブラックら前衛美術派の面々が躍り出て世間に衝撃を走らせていた時代です。羨ましい!
彼はそこで前述したマティスやピカソ、ゴーギャンやモネ等、そしてなんといってもエル・グレコ、そしてエジプト美術や中国美術の数々も時代に流されることなく蒐集していきました。
もんすごいセンスですよ本当に
しかもその虎次郎のセンスに揺るぎない信頼を寄せて出資し続けた孫三郎の格好良さ!痺れます!!
だってめっちゃ怖いですよね、、、?
蒐集にかける金額だって、今思えばかなりのお買い得品だったわけですがなかなかな訳で…
その当時にそれを見越すだけの力が2人に備わっていたということですね。
ブラボー&ブラボー!
目をみはるばかりの所蔵品の中でも、大原美術館の目玉は何といってもエル・グレコの「受胎告知」
美術館のすぐ横にその名もエル・グレコという喫茶店が昔から愛され続けているところにも倉敷の人たちのエル・グレコ愛が伝わってきます!
しかもこのエル・グレコの作品は日本に2枚しかないんです!
受胎告知は大原美術館だけ!
(もう一つのエル・グレコは国立西洋美術館にある「十字架のキリスト」)
虎次郎、孫三郎ありがとう!!です!
念願のエル・グレコ。彼はイタリア、スペインを転々とし、特にスペインで活躍した画家なのでスペイン人と思われていることが多いんですが、ギリシャ人です。
エル・グレコという名前もイタリア語でギリシャ人という意味だそうです。
だからまあ、ニックネームみたいなものですね!
最近やってきたあの画家、ギリシャ人らしいぜ。みたいな広まり方だったのでしょうか?
本名はドメニコス・テオトコプーロス(エル・グレコの方がやっぱキャッチー!)
16世紀に活躍していた画家なので、20世紀のパリからすると結構昔の画家さん
大原美術館で受胎告知の絵だけの部屋が設けられていて、部屋の照明は暗く、絵だけが煌々と照らされています。
それがまたエル・グレコの劇的なタッチを引き立たせていて胸がぎゅっとなります。
ドラマチックな一場面。宗教画は静謐なものという価値観に雷を落とす衝撃です。
ずっと世界に浸ってしまいそうになりますが、その部屋だけ作品保護のためなのか何なのか、めちゃくちゃ寒い!!
だから先に足を進められるともいう(笑)
次回、大原美術館の続編いきます!
お付き合いありがとうございます♡